【監修】睡眠により得られるメリット9選!メリットを引き出す方法も紹介

睡眠が大事なものであるということは、多くの人が知るところでしょう。しかし睡眠により得られるメリットについて、しっかりと理解している人は少ないかもしれません。

睡眠時間が不足したり、睡眠の質が低下したりすると、心身の病気や肌荒れ、記憶力の低下などが引き起こされる可能性があります。睡眠のメリットについて知り、睡眠の充実を図りましょう。

この記事では、睡眠により得られるメリットを9つ紹介します。また睡眠のメリットを引き出す方法についても解説しますので、参考にしてください。

1.睡眠のメリット9選

充実した睡眠をとることで、心身の健康を保つ効果や美容効果、記憶の定着効果などが期待できます。ここでは睡眠により得られるメリットを9つ紹介します。

1-1.疲労回復

心身の疲労を回復できることは、睡眠により得られる代表的なメリットです。睡眠はレム睡眠という浅い眠りと、ノンレム睡眠という深い眠りにより構成され、夜間の睡眠では、通常ノンレム睡眠から始まり、おおよそ90分でレム睡眠に切り替わる周期が繰り返されていきます。

体の疲労は特にレム睡眠のときに回復するといわれます。レム睡眠では筋肉の緊張が弛緩し、エネルギーを節約できるからです。一方でノンレム睡眠のときには脳、すなわち心の疲労が回復するといわれます。特に入眠直後に現れる深いノンレム睡眠中には、新陳代謝を促す成長ホルモンの分泌量が増え、脳内の老廃物除去が盛んになります。そのため心の疲労回復に大変有効なのです。

このようにレム睡眠には体の疲労を、ノンレム睡眠には心の疲労を回復する効果があります。レム睡眠とノンレム睡眠の周期がしっかり繰り返される十分な睡眠時間と、深いノンレム睡眠を得られる質の高い睡眠をとることは、疲労回復のために大切なのです。

1-2.肥満予防

肥満予防には十分な睡眠をとることが大切です。

私たちの体ではグレリンという食欲促進ホルモンと、レプチンという食欲抑制ホルモンにより食欲が調整されており、これらのホルモン分泌には睡眠が関係しています。2004年にスタンフォード大学が行った研究により、睡眠不足になるとグレリンの分泌量が増え、逆にレプチンの分泌量は減るということが明らかになりました。つまり睡眠を疎かにすると、ホルモンバランスが乱れて食欲が増し、肥満のリスクが高まるわけです。

また睡眠不足により疲労が蓄積することも、肥満の進行を促します。疲労が蓄積して日中の活動量が減ると、消費カロリーが減ってしまうからです。肥満を予防したいなら、十分な睡眠をとりましょう。

1-3.ストレス解消

充実した睡眠をとることで、ストレスを解消できるといわれています。「嫌なことがあったときは、寝て起きればスッキリする」という人もいらっしゃるのではないでしょうか。これは私たちの脳が、睡眠中に情報を整理するからです。嫌な情報は消去し、大切な情報のみを記憶として保存するため、睡眠にはストレス解消効果が期待できるのです。

また睡眠中にはコルチゾールというホルモンが分泌されますが、このホルモンには脈拍や血圧を上昇させることで、ストレスに対処する集中力を高める働きがあります。ストレスに強い体をつくるためにも、充実した睡眠をとることは大切なのです。

1-4.肌質改善

「しっかり睡眠をとると肌トラブルが少なくなる」という話を聞いたことがある人は多いかもしれません。入眠直後に訪れる深いノンレム睡眠中には成長ホルモンがたくさん分泌されますが、実はこの成長ホルモンには肌のターンオーバーを促進する働きや、肌の水分保持量を増やす働きがあります。

充実した睡眠をとると、日中に紫外線や外気によりダメージを受けた肌を新しく生まれ変わらせ、水分量の多いみずみずしい肌をつくれるというわけです。

1-5.記憶の整理・定着

記憶を整理・定着させられるというのも、睡眠により得られるメリットの一つです。睡眠はノンレム睡眠とレム睡眠で構成されますが、このうちノンレム睡眠中に日中の体験により得た情報や感情が必要なものだけに整理され、整理された情報はレム睡眠中に記憶として脳に定着されます。

つまりノンレム睡眠とレム睡眠が交互に現れるように、まとまった睡眠時間をとることで、必要な情報だけをしっかりと記憶に留めておけるようになるわけです。

1-6.免疫力向上

免疫力を向上させるために、十分な睡眠をとることは大切です。

久留米大学と別府大学が行った研究により、1日あたりの睡眠時間が6〜8時間の人では、5時間の人と比べて、唾液中に分泌される免疫物質IgAの量が多いことが分かりました。IgAには細菌やウイルスの侵入を防ぐ働きがあるため、十分な睡眠をとると、体を感染症にかかりにくい状態にできると考えられます。

また免疫機能を担う免疫細胞には、一度感染した細菌やウイルスの情報を記憶する免疫記憶というシステムが備わっていますが、十分な睡眠をとると、免疫細胞が免疫記憶を維持できる期間が長くなるともいわれています。二度目以降の感染では、一度目の感染時よりも素早く病原体を攻撃できるようになるため、症状の悪化を防ぐことができるでしょう。

1-7.生活習慣病予防

充実した睡眠をとることは、生活習慣病を予防するためにも大切です。

例えば睡眠時間が不足している人や眠りが浅い人の体では、活動時や緊張時に働く交感神経が優位となり、高血圧の状態が続きます。またインスリンという血糖値をコントロールするホルモンの働きが悪くなるため、糖尿病の発症リスクも高まります。さらに上述した通り、食欲を調整するホルモンのバランスが乱れて食欲が増し、肥満リスクが高まるというのも、睡眠不足により懸念される事項です。

高血圧、糖尿病、肥満はいずれも動脈硬化の要因となるため、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などさまざまな生活習慣病を引き起こすことにも繋がります。充実した睡眠は、生活習慣病を予防する上で欠かせないものなのです。

1-8.認知症予防

あまり知られていませんが、アルツハイマー型認知症の発症と睡眠との間には関係性があると考えられています。アルツハイマー型認知症が発症するのは、アミロイドβという老廃物が脳に蓄積して神経細胞を破壊するからではないかといわれれており、アミロイドβはノンレム睡眠時に脳から排出されることが分かっているからです。

充実した睡眠をとることにより、ノンレム睡眠の出現頻度と深さを十分なものにできれば、アルツハイマー型認知症は予防できるかもしれません。

1-9.子供の成長・成熟促進

「寝る子は育つ」ということわざがありますが、このことわざには科学的根拠があります。子供の体は成長ホルモンの働きにより大きく育っていきますが、成長ホルモンは睡眠中、特に入眠直後に訪れるノンレム睡眠中にたくさん分泌されます。また性的な成熟を促す性腺刺激ホルモンが分泌されるのも、思春期の睡眠中です。

子供が健やかに成長・成熟するためには、入眠直後のノンレム睡眠中に起きてしまうことがないようにぐっすり眠ることや、十分な時間眠ることが大切になるわけです。

2.睡眠のメリットを引き出す方法

睡眠により得られるメリットを紹介してきました。ここまでご覧になった方の中には、お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、ただ眠るだけでは睡眠によるメリットは得られません。

睡眠のメリットを引き出すには、適切な睡眠時間をとることと、睡眠の質を高めることが大切です。ここではそれぞれについて詳しく紹介します。

2-1.適切な睡眠時間を知る

適切な睡眠時間を確保し、レム睡眠とノンレム睡眠の周期を繰り返すことは、睡眠によるメリットを得るために大切です。適切な睡眠時間を確保するためには、まず適切な睡眠時間が何時間なのかを知ることが必要になります。

実は適切な睡眠時間は「一般的に◯時間」と断言できません。例えば8時間以上睡眠をとらないと日中頭がボーッとしてしまうという人もいれば、6時間未満の睡眠でも日中の活動に影響がない、いわゆるショートスリーパーと呼ばれる人もいます。このように必要とする睡眠時間は人それぞれ異なるのです。

自分にとって適切な睡眠時間が分からないという場合には、日中の活動に影響がないかを考えてみてください。集中力が続き、眠気に襲われることがない場合には、十分な睡眠時間をとれていると判断していいでしょう。

また年齢ごとの平均睡眠時間も、適切な睡眠時間を割り出す指標となります。年齢ごとの平均睡眠時間は10歳までの子供で約8〜9時間、15歳で約8時間、25歳で約7時間、45歳で約6時間半、65歳で約6時間といわれています。この時間を目安に眠ってみて、日中の様子を確認すると、適切な睡眠時間を効率良く割り出せるかもしれません。

2-2.睡眠の質を高める

睡眠によるメリットを得るためには、睡眠の質を高めることも大切になります。睡眠の質を評価するポイントとしては、レム睡眠の割合や睡眠の安定度などが挙げられますが、深いノンレム睡眠の量もその一つです。

最も深いノンレム睡眠は入眠直後の3時間に現れるといわれます。この時間に目覚めることがないように、照明を落とす、適切な温湿度(温度は冬季なら16〜19℃前後、夏季なら26〜28℃前後、湿度は40〜60%)を保つなど、寝室の環境を眠りやすい状態に整えましょう。

また睡眠の質を高めるためには、体型や体質、季節に合った寝具を使うことも大切です。体型や体質に合わない寝具を使っていると、体の痛みや寝汗による不快感などでぐっすり眠れなくなってしまいます。季節に合わない寝具を使っていると、寒さや暑さで途中目覚めてしまう恐れがあります。

敷布団やマットレスは楽な寝姿勢を保てる適度な硬さのものが、掛け布団は季節に合った保温性で汗をよく吸う吸湿性の高いものがおすすめです。枕については首や肩に負担をかけないよう、敷布団と首の隙間を埋められる高さのものを選びましょう。

3.睡眠のメリットを引き出すRecovery Sleepのアイテム

睡眠の質を高め、睡眠のメリットを得るために、寝具を見直してみてはいかがでしょうか?Recovery Sleepでは睡眠の質を高める寝具やグッズをご用意しています。以下のリンクからいろいろな商品をご覧いただけますので、チェックしてみてください。

Recovery Sleep商品ページ

引き続きRecovery Sleepの商品から、敷きパッドと枕について紹介させていただきます。

3-1.Recovery Sleep敷きパッド

赤外線による温熱効果を得られる敷きパッドです。中綿に練り込まれた自然の鉱石が、体の熱を赤外線として輻射。温熱効果が期待できます。

また中綿は吸放湿性にも優れており、寝汗による蒸れを軽減してくれます。汗による不快感で目覚めてしまう心配が減るため、入眠直後のノンレム睡眠をしっかりとり、睡眠のメリットを得る助けになってくれるでしょう。

サイズはシングル、セミダブル、ダブル、クイーン、キングがありますので、お使いのベッドに合わせてお選びください。

Recovery Sleep 敷きパッド

3-2.Recovery Sleep枕

自分好みの高さにカスタマイズできる枕です。7つの部屋に分かれており、各部屋の中材を細かく調整して、首や肩の快適さを追求していただけます。体の痛みにより目覚めてしまうことが少なくなるため、入眠直後のノンレム睡眠をしっかりとって、睡眠のメリットを得る助けにもなってくれるはずです。

また月形設計で寝返りをサポートしてくれるのも大きな特徴です。人は寝ている間に寝返りを20回打つといわれます。寝返りにより体の血流を促すことで、肩こりや腰痛、体の冷えなどを予防しているのです。寝返りを妨げないRecovery Sleep枕なら、起きたときにスッキリ感を得やすいでしょう。

Recovery Sleep枕

まとめ

睡眠には心身の健康を保つ効果はもちろん、美容効果や記憶の定着効果など、さまざまなメリットがあります。

ただしこれらのメリットは、とにかく寝れば得られるというわけではありません。適切な睡眠時間と質の高い睡眠をとることにより得られるのです。睡眠の時間と質について今一度考え、それらを充実させていきましょう。この記事がそのきっかけや参考になれば幸いです。

この記事の監修者

休養 × 疲労回復の専門家
睡眠改善協議会 睡眠改善インストラクター
日本リカバリー研究所 所長

福田 英宏 (フクダ ヒデヒロ)

早稲田大学大学院スポーツ科学研究科(修士)卒業後、㈱Recovery Adviserを立ち上げ「休養」「疲労回復」の専門家として多くのアスリートやスポーツチーム、競技団体の競技力向上をめざした休養サポートを行う。
早稲田大学大学院スポーツ科学研究科(修士)卒業後、㈱Recovery Adviserを立ち上げ「休養」「疲労回復」の専門家として多くのアスリートやスポーツチーム、競技団体の競技力向上をめざした休養サポートを行う。

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