【監修】その肩こり、枕が原因?肩こりに悩む人向けに枕の選び方を徹底解説!

慢性的な肩こりは、日中の姿勢だけでなく睡眠中の姿勢にも影響を受けます。
枕が合っていない場合、首や肩に負担が集中し、血流が滞りやすくなります。
本記事では、肩こりと枕の関係をわかりやすく整理し、自分に合う枕を選ぶための具体的な手順を解説します。

1.肩こりと枕の深い関係

肩こりの原因のひとつは、寝ている間に無理な姿勢が続いてしまうことにあります。つまり、肩こりを引き起こさないためには、寝具選びが重要です。なかでも、身体に合わない枕の使用は、肩こりの大きな原因となり得ます。

合わない枕とは、首や肩に負担がかかったり、寝返りがうちにくかったりする枕のことです。自分に合っていない枕を使うことで、寝姿勢が崩れ、血行不良や筋肉の緊張を引き起こします。それが、肩こりや痛みのもとになります。

枕の役割は「頭を載せる」ということだけではありません。首(頸椎)を自然な角度で支え、背中から頭までのラインをなめらかにつなぐことが重要です。枕が高すぎると、あごが胸のほうに近づき、肩や首の筋肉に負担がかかります。逆に低すぎると首が後ろに反りやすくなり、首の後ろの筋肉が緊張しやすくなります。どちらの場合も筋肉のこわばりや血行不良を招き、朝起きたときに首や肩が重く感じる原因になります。

もう一つの重要なポイントが、寝返りです。寝返りは一晩に20〜30回ほど行われ、体の同じ部分にかかる圧力を分散する役割があります。枕の幅が狭い、表面が不安定、軽すぎて動いてしまうといった条件では寝返りがしにくくなり、同じ筋肉への圧迫が長く続いてしまいます。その結果、血流が滞り、肩や首のまわりに疲労物質がたまりやすくなって不快感につながります。

また、仰向けと横向きでは理想的な枕の条件も異なります。仰向けでは、耳・肩・腰が一直線になる高さが目安です。横向きでは、首の骨(頸椎)が水平を保てる高さが必要で、肩幅が広い人は少し高めが適しています。首が下に折れる、または上を向く姿勢になると、首や肩に偏った負担がかかってしまいます。

呼吸のしやすさも重要です。枕が高すぎたり、あごが上がりすぎたりすると気道が狭くなり、呼吸が浅くなることで睡眠が途中で途切れることがあります。こうした浅い眠りが続くと、体の回復が追いつかず、翌日の肩こりを悪化させることもあります。

次のようなサインがある場合は、枕の見直しを検討しましょう。
・朝起きたときに首や肩がこわばっている
・夜中に何度も目が覚める、寝返りのたびに起きてしまう
・朝、頭が枕から落ちている(幅や形が合っていない可能性)
・マットレスを替えたあとに枕が合わなくなった

睡眠中の肩こりを防ぐには、体圧をうまく分散させて肩への負担を減らすことが大切です。自分の体に合った枕を選ぶことで、肩や首のこりをやわらげることができます。

理想の枕選びでは、
①首の角度を自然に保つ高さ
②寝返りを妨げない幅と安定感
③睡眠中にずれにくい適度な重さ
④季節や体質に合わせた通気性と保温性
これら4つのポイントを意識してみましょう。

次の章では、具体的な高さの見極め方(バスタオルを使ったセルフチェック)や、寝返りしやすい枕の幅、素材ごとの特徴について詳しく解説します。

2.肩こりを防ぐ!正しい枕の選び方

枕選びで重要なのは、「自分の身体に合っているか」を客観的に判断することです。
肩こりを防ぐためには、単に“柔らかい”“高い”などの印象ではなく、首や肩の角度・寝返りのしやすさ・素材の特性を総合的に考える必要があります。
以下の4つのポイントを押さえることで、無理のない姿勢で眠り、朝まで快適な状態を保つことができます。

2-1.背中〜頭に隙間ができない高さを選ぶ

枕の高さは、肩こり対策の中でも特に重要なポイントです。枕が高すぎると首が前に曲がり、肩や首の筋肉(僧帽筋や肩甲挙筋)が緊張してしまいます。反対に、低すぎる枕では頭が後ろに反りやすくなり、首の骨のカーブが強調されて負担がかかります。どちらの場合も筋肉がこわばり、血流が悪くなることで肩こりの原因につながります。

理想的な高さは、仰向けで寝たときに首の角度が5度前後になる状態です。背中から頭にかけてのラインに隙間がなく、首の後ろがしっかり支えられていることが目安になります。バスタオルを何枚か重ねて高さを調整しながら、鏡で横から姿勢を確認すると、自分に合った高さを見つけやすくなります。背骨がゆるやかなS字を描き、耳・肩・腰がほぼ一直線に並んでいる姿勢が理想です。

横向きで寝ることが多い人は、肩の厚みを考慮してやや高めの枕を選ぶのがおすすめです。肩が圧迫されず、鼻と胸の中心が床と平行になる高さを意識すると、首や肩への負担を軽減できます。

2-2.寝返りをうちやすい幅を選ぶ

肩こりを防ぐためには、寝返りのしやすさも大切です。寝返りは、筋肉や関節にかかる圧力を分散し、血液やリンパの流れを保つ役割があります。枕の幅が狭いと、寝返りをしたときに頭が枕から落ちてしまい、首の骨(頸椎)が不安定な姿勢になります。これが「朝起きたら首が痛い」と感じる原因の一つです。

目安として、幅60cm以上(頭3つ分ほど)の枕を選ぶと安心です。一般的な枕の幅は55〜63cm前後のため、肩こりに悩む人は少し広めのタイプを選ぶとよいでしょう。横向きで寝ることが多い人は、さらに広い枕を使うことで、肩を無理にねじらず自然に寝返りができます。

最近では、横向き寝に特化した枕や、耳の部分にくぼみを設けたタイプもあります。これらの枕は首と肩の角度を保ちながら寝返りをサポートし、圧迫感をやわらげて血流をスムーズにする効果が期待できます。

2-3.睡眠中にずれない重さを選ぶ

枕の重さはあまり意識されないことが多いですが、安定した姿勢を保つためには重要な要素です。枕が軽すぎると、寝返りを打つたびに動いてしまい、首や肩に余計な負担がかかります。反対に重すぎる枕は動かしにくく、寝返りが制限される原因になります。

自分の体格や寝姿勢に合ったちょうどよい重さを選ぶことが大切です。体が小さい人は軽めの素材(そばがらや低反発タイプ)、体格の大きい人は安定感のある中〜高反発素材が向いています。実際に寝転がって寝返りを数回試し、枕が大きくずれたり動いたりしないか確認してみるとよいでしょう。

さらに、枕の裏面に滑り止め加工が施されているタイプや、マットレスとの相性を考えて設計されたタイプを選ぶのもおすすめです。特に平らなマットレスを使っている場合は、枕が滑りにくい仕様のものを選ぶことで、夜中のずれを防ぎ、安定した寝姿勢を保ちやすくなります。

2-4.素材の特性を理解して選ぶ

枕の素材は、寝心地だけでなく、通気性や清潔さ、そして長く使えるかどうかにも影響します。それぞれの素材に特徴があるため、自分の体質や季節に合わせて選ぶことが大切です。

高反発ウレタン/パイプ素材

首や肩をしっかり支えることができ、ストレートネックの予防や肩こりの改善を目指す人に向いています。パイプ素材は通気性と耐久性に優れており、丸洗いできるタイプもあります。ただし、パイプの粒が大きいものは硬さを感じる場合があるため、実際に寝てみて寝心地を確かめてから選ぶと安心です。

そばがら素材

吸湿性・放湿性に優れており、汗をかきやすい人や夏場など蒸れが気になる時期におすすめです。中身の量を調整しやすく、自分の好みの高さに合わせられる点も魅力です。ただし、湿気がたまるとカビや虫が発生しやすいため、定期的に天日干しをする必要があります。そばアレルギーのある人は使用を避けましょう。

羽毛・綿素材

ふんわりとした感触と高い保温性があり、寒い季節でもあたたかく快適に過ごせます。ただし柔らかすぎると頭が沈み込み、首の角度が安定しにくくなることがあります。羽毛枕を選ぶときは、適度な弾力があり、沈み込みすぎないタイプを選ぶのがポイントです。

素材は好みだけで選ぶのではなく、寝姿勢の安定や血行の良さにも関わる重要な要素です。通気性や支えの強さ、お手入れのしやすさを比べながら、自分に合った素材を選びましょう。

3.枕の寿命を見極めよう

枕は一度買うと長く使えると思われがちですが、実際には平均で2〜3年ほどが寿命といわれています。長く使い続けるうちに形が崩れたり弾力が落ちたりして、首や肩をしっかり支える力が弱まっていきます。
枕がへたって形が変わると、寝ている間に正しい姿勢を保てなくなり、首や肩の筋肉に負担がかかります。その結果、肩こりや首のこわばりが再び起こりやすくなることがあります。

3-1.枕の寿命は「素材」と「使用環境」で変わる

枕の寿命は一律ではなく、素材の種類・使用頻度・湿度管理によっても変わります。
素材別に見たおおよその寿命の目安は次の通りです。

素材 寿命の目安 特徴
そばがら 約1〜2年 吸湿性に優れるが、湿気がたまりやすく虫やカビのリスクもある。定期的な天日干しが必要。
ウレタン(高反発・低反発) 約2〜3年 形状保持力は高いが、通気性がやや低く、湿度がこもりやすい。へたりが出たら交換を。
羽毛・綿・わた素材 約2〜3年 やわらかく肌あたりが良いが、使用とともに中材が偏りやすい。ふんわり感がなくなったら寿命のサイン。

これらの寿命はあくまで目安であり、使用する人の体格や寝返りの多さ、室内の湿度などによっても変わります。

毎日使うものだからこそ、定期的に状態を確認することが大切です。

3-2.交換のサインを見逃さない

次のような状態が見られたら、枕の交換を考えるタイミングです。

・中央部分が大きくへこんでいる、または弾力がなくなっている
・頭をのせても元の形に戻らず、全体がつぶれている
・購入時より高さが低く感じる
・朝起きたときに首や肩が重く感じる、または痛みが強くなっている
・洗濯や天日干しをしてもにおいが残り、清潔に感じられない

特にウレタンや綿素材の枕は、弾力が弱くなると首や肩を支える力が急に落ちます。見た目がきれいでも中の素材が劣化していることが多いため、使用期間だけでなく、実際の触り心地や沈み具合でも状態を確認することが大切です。

3-3.寿命を延ばすお手入れポイント

枕は適切にケアを行うことで、より長く清潔に使うことができます。
次の3つのケアを習慣化することで、快適な状態を保ちやすくなります。

1.枕カバーをこまめに洗濯する

皮脂や汗を吸収しやすいため、1〜2週間に1度の洗濯が理想です。
通気性のよい素材を選ぶと湿気がこもりにくくなります。

2.枕本体は陰干しで湿気を逃がす

ウレタンなど洗えない素材は、直射日光ではなく風通しのよい日陰で乾燥させるのがおすすめです。

3.中材の偏りを手でほぐす

綿や羽毛素材の枕は使用を重ねると中身が偏りやすいため、両手で軽くたたいて空気を含ませることでふんわり感を維持できます。

こうしたケアを続けることで、清潔さと弾力が保たれ、枕の寿命を延ばすことができます。

3-4.枕を定期的に見直すメリット

枕を替えることで、首や肩の負担が軽くなり、眠りがより快適に感じられることがあります。自分に合った枕を使うと、首のカーブが自然に保たれ、呼吸がしやすくなります。その結果として血の巡りがよくなり、体がゆるみやすくなると考えられています。
また、年齢を重ねるにつれて筋肉の張り方や体の形は少しずつ変わっていくため、数年おきに枕の高さや硬さを見直すことがおすすめです。「以前は低めの枕で快適だったのに、最近は肩がこるようになった」というような変化も珍しくありません。自分の体の変化に合わせて枕を調整していくことで、自然に心地よい眠りを保つことができます。

4.Recovery Sleep メディカルサロンピロー Special Edition

「Recovery Sleep メディカルサロンピロー Special Edition」は、管理医療機器として認証された磁気枕で、首から肩のラインを自然に支え、眠っている間の姿勢を整えるように設計されています。
仰向けでも横向きでもフィットしやすく、最大190ミリテスラの永久磁石が首や肩の血行を促し、こりや重さをやわらげます。
内部には薄型ネオジム磁石が18個配置されており、首から肩を包み込むようにサポートします。磁力による血流促進と、通気性の高いソフトエアーパイプ素材を組み合わせることで、快適な寝心地を実現しています。中央部のくぼみが頭をやさしく支える「ソフトネックフィット設計」により、頸椎の自然なカーブを保ち、首や肩への負担を軽減します。
横向き寝にも対応したサイド構造では、肩と首の隙間をしっかり支えるとともに、耳への圧力をやわらげるイヤーフィットポケットを採用。6つのポケットで高さを細かく調整できるため、体格やマットレスの硬さに合わせて最適な寝姿勢を作ることができます。
カバーも本体も洗濯可能で、清潔に保ちやすい点も特徴です。デスクワークやスマートフォンの使用などで首や肩のこりが気になる人にとって、日々の睡眠時間を使ってケアできる実用的なアイテムです。

Recovery Sleep メディカルサロンピロー Special Edition

まとめ

肩こりの原因は、日中の姿勢だけでなく、眠っている間の姿勢にもあります。私たちは一晩に6〜8時間もの時間を枕に支えられながら過ごすため、その間の姿勢が首や肩の負担を大きく左右します。自分に合った枕を使えば、頸椎のカーブが自然に保たれ、筋肉がしっかりと休まる環境を整えることができます。

合わない枕を使い続けると、血行が滞って疲労が抜けにくくなりますが、正しい高さと素材、寝返りのしやすさを意識することで、肩こりの軽減につながります。もし「朝起きると首が重い」、「週末に寝ても疲れが取れない」と感じるようであれば、枕の見直しが必要かもしれません。睡眠環境を見直すことが、肩まわりの負担をやわらげるための第一歩といえます。

この記事の監修者

休養 × 疲労回復の専門家
睡眠改善協議会 睡眠改善インストラクター
日本リカバリー研究所 所長

福田 英宏 (フクダ ヒデヒロ)

早稲田大学大学院スポーツ科学研究科(修士)卒業後、㈱Recovery Adviserを立ち上げ「休養」「疲労回復」の専門家として多くのアスリートやスポーツチーム、競技団体の競技力向上をめざした休養サポートを行う。
早稲田大学大学院スポーツ科学研究科(修士)卒業後、㈱Recovery Adviserを立ち上げ「休養」「疲労回復」の専門家として多くのアスリートやスポーツチーム、競技団体の競技力向上をめざした休養サポートを行う。

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