せっかくの努力が水の泡!?睡眠とダイエットの深い関係をわかりやすく解説

ダイエットの基本は、食事制限や運動です。しかし近年は、それらに加えて「睡眠」が重要視されており、スタンダードになりつつあります。「睡眠ダイエット」という言葉が出てきたり、「寝ると痩せる」という研究結果が発表されたり……睡眠がダイエットのカギを握っているといっても過言ではありません。

ではなぜ、ダイエットには睡眠が欠かせないのでしょうか?

この記事では、睡眠とダイエットの深い関係性についてわかりやすく解説。睡眠不足がダイエットにもたらす悪影響や、睡眠不足を自分でチェックする方法、ダイエットに効果的な睡眠のとり方についてもたっぷりご紹介します。

「ダイエットを頑張っているのになかなか効果が出ない」「ダイエットの頑張り方がわからない」という方は、ぜひ参考にしてください。

1.睡眠とダイエットの関係

適切な睡眠時間をとることは、ダイエットにつながるといわれています。

2005年にコロンビア大学が行った研究により、平均睡眠時間が7〜9時間の人に比べて、6時間の人では23%、5時間の人では50%、そして4時間以下の人では73%も肥満率が高くなるということがわかりました。

睡眠時間が6時間以下の状態では、肥満になる可能性が高まるわけです。ダイエットしたいなら、少なくとも7時間以上の睡眠時間を確保すべきといえるでしょう。

そもそも、人間は寝ているだけでも一定のカロリーを消費しています。7時間熟睡することで、5キロ程度のランニング相当のカロリーを消費すると考えられています。

「食事制限や運動を頑張っているのになかなか痩せられない」という方は、睡眠不足が原因かもしれません。次の見出しでは、睡眠不足がダイエットにもたらす悪影響について詳しくご紹介していきます。

2.睡眠不足が引き起こすダイエットへの悪影響

睡眠には、心身を回復させる重要な役割があります。睡眠中には多くのホルモンが分泌されており、なかにはダイエットに大きく関わるものも存在します。

以下では、なぜダイエットに睡眠が欠かせないのか?を理解するために、睡眠不足がダイエットにどのような影響を与えるのかを見ていきましょう。

2-1.食欲を増進させる

1つ目は、食欲を増進させること。睡眠不足が、ダイエットに欠かせない食事制限を邪魔してしまうことにつながります。

睡眠が不足すると、「グレリン」という食欲を増進させるホルモンの分泌を高めてしまうことが指摘されています。グレリンは睡眠不足によって分泌量が変化するのが特徴です。2004年にスタンフォード大学が行った研究において、睡眠時間が8時間の人と比べて5時間の人では、グレリンの量が約15%多いというデータが得られています。

また、睡眠不足によって、食欲を抑制する作用がある「レプチン」というホルモンの分泌が減ってしまうこともわかっています。こちらも、スタンフォード大学による研究において、睡眠時間が8時間の人と比べて5時間の人ではレプチンの量が約15%少ないというデータが得られています。

十分な睡眠時間が確保できないと、食欲に影響が出てしまうのです。「食べたい気持ち」が湧いてしまうと、食事制限が困難になります。睡眠をコントロールすることで、上手に食欲と向き合っていきたいものです。1時間多く眠るだけで、異なる結果が得られるでしょう。

2-2.脂肪を蓄える作用が働いてしまう

2つ目は、血糖値を上げてしまうこと。そして、脂肪を蓄える作用が働いてしまうことです。

睡眠不足によってさまざまなホルモンの分泌が妨げられると、ストレスホルモンとも呼ばれる「コルチゾール」が増えることがわかっています。結果として、血糖値を下げる作用のある「インスリン」の分泌が低下し、血糖値が上がりやすくなります。

また、食後の血糖値の急上昇は、脂肪を蓄えることにつながります。睡眠不足は、生活習慣病とも深く関わりがあるとされ、多くの研究機関がさまざまなエビデンスを発表しています。

2-3.コンディションの管理が難しくなる

3つ目は、コンディションを崩しやすくなる可能性が高まること。体調が整っていないと、ダイエットどころではありません。

就寝中には、回復に関わる「成長ホルモン」が分泌されます。成長ホルモンは、子どもの成長に欠かせないホルモンとして知られていますが、細胞の新陳代謝を促進したり、基礎代謝を高めたりと、大人の身体にも大きく関わっています。

成長ホルモンの分泌がうまくいかない場合、身体の回復が妨げられます。睡眠不足の状態でダイエットをすることは、無理に無理を重ねているのと同じです。免疫力の低下にもつながるでしょう。

2-4.モチベーションを低下させる

4つ目は、ダイエットのモチベーションを低下させてしまうこと。上述した点と似ていますが、睡眠不足で身体がしっかり回復していない場合、疲労を実感していることでしょう。この状態が長く続くと、慢性疲労として、日常生活に支障をきたします。

慢性疲労は、あらゆるモチベーションの低下につながります。ダイエットへのモチベーションも同様です。

3.睡眠不足かどうかを自分でチェックする方法

睡眠が私たちへ与える影響は、ダイエットだけではありません。睡眠にはダイエット以外にも、心身機能の回復、肌質の改善、記憶の定着などのさまざまな役割があり、健康に生きていくためには欠かせない行為です。

十分な睡眠には、時間だけでなく、質も重要。必要な睡眠時間は個人によって異なるため、近年は「睡眠休養感」が重視されています。睡眠休養感とは、しっかり休養できた感覚を持てていること。睡眠休養感は、以下のような項目でチェックすることができます。

・起床時に疲れを感じる
・寝足りない感覚がある
・日中、気分にムラがある
・日中に眠気を感じる
・仕事のパフォーマンスの低下を感じる
・夜中に何度も目覚める

心当たりがある方は、睡眠を見直す必要があるかもしれません。ぜひ、これからご紹介する上質な睡眠をとる方法を意識してみてください。

4.ダイエットに効果的な睡眠のとり方

ここからは、上質な睡眠をとるためにチェックしておきたいポイントをご紹介します。睡眠はダイエットの成果に大きく関わる要素のため、ここでご紹介する内容は、ダイエットに効果的な睡眠のとり方ともいえます。

ぜひ、実践できそうなものから、ライフスタイルに取り入れてみてください。

4-1.7時間以上の睡眠を確保する

ダイエットを本気で頑張りたい方は、少なくとも7時間以上眠ることを心がけましょう。さまざまな研究結果から、7〜8時間がひとつの目安といえそうです。

日本人は、先進国のなかでも睡眠時間が少ないことで知られています。OECDの調査(2021年版)での平均睡眠時間は7時間22分。1日の睡眠時間が6時間未満の人が4割程度を占めることもわかっています。

健康のためにも、ダイエットのためにも、意識して睡眠時間を確保するようにしてください。

4-2.規則正しい就寝時間を心がける

規則正しいリズムで生活することは、上質な睡眠にとって非常に重要です。毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きることが大切なのです。

人間の体内時計は、24時間より少し長くなっています。そのまま放置すると、少しずつズレが生じてしまうため、毎日リセットする必要があります。

リセット方法は、朝日を浴びること。朝日を浴びることによって、体内時計がリセットされ、一定時間後の夜に眠くなるようにセットされます。就寝中のホルモンの分泌にも大きく関わるため、生活リズムを整えることを意識してみましょう。

4-3.バランスの良い朝食をしっかり摂る

体内時計の機能を維持するために、朝日を浴びることと同じくらい重要なのが、朝食です。朝食を摂る習慣をつけ、体をしっかり目覚めさせることが大切です。

できれば、朝食の内容にも気を遣いたいところ。夜眠くなるためのホルモンである「メラトニン」の原料になる「セロトニン」をつくるためには、「トリプトファン」や「ビタミンB6」が必要です。

トリプトファンは、乳製品や卵、バナナなどから摂取可能。ビタミンB6は、肉や赤身の魚、卵、玄米などに多く含まれています。ぜひ意識してみてください。

4-4.日中や就寝前に適度に運動する

日中の適度な運動は、身体を程よく疲れさせ、心地よい睡眠を促します。日中の運動が難しい場合は、寝る前に3分程度、軽いストレッチをするのがおすすめです。筋肉の緊張をほぐし、血行をよくすることで、基礎代謝の働きを正常にします。

しかし、寝る前の激しい運動は逆効果。交感神経が優位になってしまうと、体温が上昇しすぎたり、緊張状態になったりしてしまうので、寝つきの妨げになります。

4-5.寝る1時間半前に入浴する

寝る1時間半前に入浴することも、寝つきをよくするのに効果的です。

私たちの体は、深部体温が低下しているときに眠くなるようにできています。また、深部体温の低下量が大きいほど眠気が強くなるともいわれます。そのため、寝る1時間半前に入浴して一時的に深部体温を上げ、温度の低下量を大きくすることで、眠りにつきやすくなると考えられるのです。

なお、寝つきへの効果は、体温の上昇が0.5度程度あれば認められます。体温を0.5度上げるには、38度~40度のぬるま湯なら10分~15分、42度以上の熱めのお湯なら入浴時間は寝る2~3時間前に5分程度浸かればよいとされていますので、参考にしてみてください。

4-6.寝る3時間前に夕飯を済ませる

眠っている間に身体をしっかり休めるには、睡眠3時間前までに夕飯を済ませるのが理想です。

食べ物の消化には2〜3時間を必要とします。就寝前ギリギリに食べてしまうと、就寝中に消化活動が行われ、回復の妨げになってしまいます。

また、夜食はエネルギーが消費されにくいため、肥満につながりやすいともいわれています。できるだけ早めに夕飯を済ませられるよう、計画を立てましょう。

4-7.寝る前にスマホを見ない

寝る前にスマホのブルーライトを浴びると、寝つきが悪くなってしまいます。

ブルーライトの波長は、太陽の光である紫外線の波長とよく似ているため、寝る前にブルーライトを浴びると体内時計が乱れて寝つけなくなってしまう可能性があるのです。

寝る1時間前からスマホを見ないようにすれば、ブルーライトの影響はそれほど受けずに済むといわれていますので、意識してみてください。

4-8.カフェインやアルコールの量を調整する

カフェインやアルコールには覚醒作用があり、睡眠の妨げになってしまいます。また、利尿作用があるため、就寝前に摂取すると夜中にトイレに起きてしまう可能性も。寝る前の摂取はぜひ避けたいものです。

それぞれの効果には個人差や量も関係しています。一般的に、カフェインの効果は4時間前後持続するとされています。ひとつの目安として考えてみてください。

4-9.快適な寝具を使う

自分の身体や季節に合った寝具を使うことも、十分な睡眠時間を確保し、睡眠の質を高めるのに有効です。

掛け布団や敷きパッドは、季節に合った保温性のものや、寝汗をかいても不快にならないような吸放湿性の高いものを選びましょう。また、敷布団やマットレスは身体が痛くならない硬さのものがおすすめ。枕は、敷き布団と首の隙間を埋められる高さのものがよいでしょう。

5.睡眠の質を高めるRecovery Sleepのアイテム

充実した睡眠をとるためには、快適な寝具を使うことが大切です。

Recovery Sleepには、睡眠の充実をサポートするアイテムがたくさんあります。以下のリンクから、どんな商品があるのかチェックしてみてください。

Recovery Sleepの商品ページ

なかでも、快眠アイテムとして手軽に使用できるのが「敷きパッド」と「アイマスク」です。以下で、それぞれについて詳しくご紹介します。

5-1.Recovery Sleep敷きパッド

温熱効果により、疲労軽減をサポートする敷きパッドです。

中綿に練り込まれた鉱石が、体の熱を吸収し、赤外線として輻射します。赤外線の温熱効果により、効率のよい疲労軽減をサポートするため、毎日忙しくて体のメンテナンスに時間をかけられないという方におすすめです。

また、中綿は吸放湿性にも優れており、寝汗による蒸れや冷えを防いでくれます。朝まで快適に、ぐっすり眠りたい方にもおすすめの敷きパッドとなっていますので、以下のリンクから詳細をチェックしてみてください。

Recovery Sleep敷きパッドの商品ページ

5-2.Recovery Sleepアイマスク

高い遮光性により、スムーズな寝つきをサポートするアイマスクです。

私たちの体では、眠りにつくときに「メラトニン」という入眠を促すホルモンが分泌されます。メラトニンは光によって分泌が抑制されてしまうため、スムーズに眠りにつくためには、目に入る光をシャットアウトすることが大切です。

Recovery Sleepアイマスクは、長さ調節できるストラップで、目元にフィットさせられます。目に入る光をしっかりとシャットアウトし、スムーズな寝つきを叶えてくれるでしょう。寝つきの悪さにお悩みの方は、以下のリンクから詳細をチェックしてみてください。

Recovery Sleepアイマスクの商品ページ

まとめ

今回は、睡眠とダイエットとの関係について解説しました。ダイエットの基本は、食事制限と運動、そして、上質な睡眠です。せっかく頑張っていても、睡眠が不足してしまうと、成果を感じにくくなる可能性が高まります。

繰り返しになりますが、ダイエットのカギは睡眠です。本記事でご紹介している「ダイエットに効果的な睡眠のとり方」を参考にしながら、ぜひ、現在の睡眠を見直してみてください。

この記事の監修者

休養 × 疲労回復の専門家
睡眠改善協議会 睡眠改善インストラクター
日本リカバリー研究所 所長

福田 英宏 (フクダ ヒデヒロ)

早稲田大学大学院スポーツ科学研究科(修士)卒業後、㈱Recovery Adviserを立ち上げ「休養」「疲労回復」の専門家として多くのアスリートやスポーツチーム、競技団体の競技力向上をめざした休養サポートを行う。
早稲田大学大学院スポーツ科学研究科(修士)卒業後、㈱Recovery Adviserを立ち上げ「休養」「疲労回復」の専門家として多くのアスリートやスポーツチーム、競技団体の競技力向上をめざした休養サポートを行う。

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