【監修】せっかくの努力が水の泡!?睡眠とダイエットの深い関係をわかりやすく解説
ダイエットの基本は、食事制限や運動です。しかし近年は、それらに加えて「睡眠」が重要視されており、スタンダードになりつつあります。「睡眠ダイエット」という言葉が出てきたり、「寝ると痩せる」という研究結果が発表されたり……睡眠がダイエットのカギを握っているといっても過言ではありません。
ではなぜ、ダイエットには睡眠が欠かせないのでしょうか?
この記事では、睡眠とダイエットの深い関係性についてわかりやすく解説。睡眠不足がダイエットにもたらす悪影響や、睡眠不足を自分でチェックする方法、ダイエットに効果的な睡眠のとり方についてもたっぷりご紹介します。
「ダイエットを頑張っているのになかなか効果が出ない」「ダイエットの頑張り方がわからない」という方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.睡眠とダイエットの関係
適切な睡眠時間をとることは、ダイエットにつながるといわれています。
コロンビア大学が行った研究により、平均睡眠時間が7〜9時間の人に比べて、6時間の人では23%、5時間の人では50%、そして4時間以下の人では73%も肥満率が高くなるということがわかりました。
睡眠時間が6時間以下の状態では、肥満になる可能性が高まるわけです。ダイエットしたいなら、少なくとも7時間以上の睡眠時間を確保すべきといえるでしょう。
そもそも、人間は寝ているだけでも一定のカロリーを消費しています。個人差はありますが、7時間程度の睡眠をとることで、300キロカロリー前後を消費するとされています。これは、約30〜60分相当のランニングにおける消費カロリーと同等です。
「食事制限や運動を頑張っているのになかなか痩せられない」という方は、睡眠不足も原因の一つと考えられるでしょう。次の見出しでは、睡眠不足がダイエットにもたらす悪影響について詳しくご紹介します。
2.睡眠不足が引き起こすダイエットへの悪影響
睡眠には、心身を回復させる重要な役割があります。睡眠中には多くのホルモンが分泌され、なかにはダイエットに大きく関わるものも存在します。
それでは、ダイエットにおける睡眠の重要性と、睡眠不足がダイエットに与える影響について見ていきましょう。
2-1.食欲を増進させる
1つ目は、食欲を増進させること。睡眠不足が、ダイエットに欠かせない食事制限を邪魔してしまうことにつながります。
睡眠が不足すると、「グレリン」という食欲を増進させるホルモンの分泌を高めてしまうことが指摘されています。グレリンは睡眠不足によって分泌量が変化するのが特徴です。スタンフォード大学が行った研究において、睡眠時間が8時間の人と比べて5時間の人では、グレリンの量が約15%多いというデータが得られています。
また、睡眠不足によって、食欲を抑制する作用がある「レプチン」というホルモンの分泌が減ってしまうこともわかっています。こちらも、スタンフォード大学による研究において、睡眠時間が8時間の人と比べて5時間の人ではレプチンの量が約15%少ないというデータが得られています。
十分な睡眠時間が確保できないと、食欲のコントロールが困難になります。通常より1時間多く眠るだけで、食事による満足感が得られやすくなり、食欲のコントロールが容易になる可能性が高まるでしょう。
2-2.脂肪を蓄える作用が働いてしまう
2つ目は、血糖値が上がり、脂肪を蓄える作用が働いてしまうことです。
睡眠不足によってさまざまなホルモンの分泌が妨げられると、ストレスホルモンとも呼ばれる「コルチゾール」が増えることがわかっています。結果として、血糖値を下げる作用のある「インスリン」の分泌が低下し、血糖値が上がりやすくなります。
また、食後の血糖値の急上昇は、脂肪を蓄えることにつながります。睡眠不足は、生活習慣病とも深く関わりがあるとされ、このことは、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」にも明記されています。
2-3.コンディションの管理が難しくなる
3つ目は、睡眠不足による疲労が蓄積され、身体の調子を崩しやすくなる可能性が高まることです。そうなると、ダイエットそのものの継続や実践が難しくなる可能性が考えられます。慢性的に睡眠が不足していると、身体が回復しないまま、疲労を蓄積させてしまいます。身体がだるい日が続いたり、常に眠気を感じたりと、コンディションにムラが出てしまいがちです。
就寝中には、身体の回復に関わる「成長ホルモン」が分泌されます。成長ホルモンは、子どもの成長に欠かせないホルモンとして知られていますが、細胞の新陳代謝を促進したり、基礎代謝を高めたりと、大人の身体にも大きく関わっています。
成長ホルモンの分泌がうまくいかない場合、身体の回復が妨げられます。睡眠不足の状態でのダイエットで無理を重ねることは、免疫力の低下にもつながり、悪循環です。
2-4.モチベーションを低下させる
4つ目は、ダイエットのモチベーションを低下させてしまうことです。上述した点と似ていますが、睡眠不足で身体がしっかり回復していない場合、疲労が蓄積されて、心身の不調を招きます。疲労を実感する日々が続くと、ダイエットまでなかなか手が回らないでしょう。
睡眠不足により心身に支障をきたしている状態を「睡眠負債」と表現することがあります。睡眠負債は、モチベーションの低下を含むさまざまな身体の不調を招きます。判断力の低下や鬱々とした感情などにより、日常生活に支障をきたす恐れもあるほどです。
3.睡眠不足かどうかを自分でチェックする方法
睡眠が私たちへ与える影響は、ダイエットだけではありません。睡眠にはダイエット以外にも、心身機能の回復、肌質の改善、記憶の定着などのさまざまな役割があり、健康に生きていくために睡眠は欠かせません。
十分な睡眠には、時間だけでなく質も重要です。必要な睡眠時間は個人によって異なるため、近年は「睡眠休養感」が重視されています。睡眠休養感とは、しっかり休養できた感覚を持てていること。睡眠休養感は、以下のような項目でチェックすることができます。
・起床時に疲れを感じる
・寝足りない感覚がある
・日中に気分にムラがある
・日中に眠気を感じる
・仕事のパフォーマンスの低下を感じる
・夜中に何度も目が覚める
心当たりがある方は、睡眠を見直す必要があるかもしれません。ぜひ、これからご紹介する上質な睡眠のとり方を意識してみてください。
4.ダイエットに効果的な睡眠のとり方
ここからは、上質な睡眠をとるためにチェックしておきたいポイントをご紹介します。睡眠はダイエットの成果に大きく関わる要素のため、ここでご紹介する内容は、ダイエットに効果的な睡眠のとり方とも言えます。
ぜひ、実践できそうなものから、ライフスタイルに取り入れてみてください。
4-1.7時間以上の睡眠を確保する
厚生労働省の睡眠ガイドでは、成人の場合、個人差はあるものの6〜8時間の睡眠が適当だと記されています。
ダイエットを本気で頑張りたい方は、少なくとも7時間以上、少し多めに眠ることを心がけましょう。冒頭でご紹介したコロンビア大学の研究では、平均睡眠時間が7時間とそれ以下とでは、睡眠時間が短くなるほど肥満率が高くなることが分かっています。ほかのさまざまな研究結果からも、ダイエットを頑張りたい方は、7〜8時間程度の睡眠を確保することが理想と言えそうです。
日本人は、先進国のなかでも睡眠時間が少ないことで知られています。世界各国の経済・社会政策の調整を担っている国際機関「OECD(経済協力開発機構)」の調査(2021年版)での平均睡眠時間は7時間22分。1日の睡眠時間が6時間未満の人が4割程度を占めることもわかっています。
健康のためにも、ダイエットのためにも、意識して睡眠時間を確保するようにしてみましょう。
4-2.規則正しい就寝時間を心がける
「毎日同じ時間に寝て同じ時間に起きる」など、規則正しいリズムで生活することは、上質な睡眠にとって非常に重要です。
人間の体内時計は、1日の周期である24時間より少し長い約25時間になっています。光を浴びたり、運動をしたりといった日常生活の刺激によって1時間のズレが修正され、1日24時間のリズムで生活できるように成り立っているのです。
ズレをうまく修正できないと、体内時計が狂い、睡眠をはじめ日常生活に支障をきたします。毎日リセットして、体内時計のリズムを整えることが必要です。
リセット方法は、朝日を浴びることです。朝日を浴びることによって、体内時計がリセットされ、眠りのホルモンであるメラトニンの分泌がストップします。14〜16時間後に再びメラトニンが分泌されることで、眠くなるように身体ができています。体内時計を正しく機能させるには、ホルモンの分泌が大きく関わっています。規則正しい生活リズムを整えることを意識してみましょう。
4-3.バランスの良い朝食をしっかり摂る
体内時計の機能を維持するために、朝日を浴びることと同じくらい重要なのが、朝食です。朝食を摂る習慣をつけ、体をしっかり目覚めさせることが大切です。
できれば、朝食の内容にも気を遣いたいところです。夜眠くなるためのホルモンである「メラトニン」の原料になる「セロトニン」をつくるためには、「トリプトファン」や「ビタミンB6」が必要です。
トリプトファンは、乳製品や卵、バナナなどから摂取可能です。ビタミンB6は、肉や赤身の魚、卵、玄米などに多く含まれています。ぜひ意識して摂取してみてください。
4-4.日中や就寝前に適度に運動する
日中の適度な運動は、身体を程よく疲れさせ、心地よい睡眠を促します。日中の運動が難しい場合は、寝る前に3分程度、軽いストレッチをするのがおすすめです。筋肉の緊張をほぐし、血行をよくすることで、基礎代謝の働きを正常にします。
しかし、寝る前の激しい運動は逆効果です。交感神経が優位になってしまうと、体温が上昇しすぎたり、緊張状態になったりしてしまうので、寝つきの妨げになります。
4-5.寝る1時間半前に入浴する
寝る1時間半前に入浴することも、寝つきをよくするのに効果的です。
私たちの身体は、深部体温が低下しているときに眠くなるようにできています。また、深部体温の低下量が大きいほど眠気が強くなるともいわれます。そのため、寝る1時間半前に入浴して一時的に深部体温を上げ、温度の低下量を大きくすることで、眠りにつきやすくなると考えられるのです。
なお、寝つきへの効果は、体温の上昇が0.5度程度あれば認められます。体温を0.5度上げるには、38度~40度のぬるま湯なら10分~15分、42度以上の熱めのお湯なら入浴時間は寝る2~3時間前に5分程度浸かればよいとされていますので、参考にしてみてください。
4-6.寝る3時間前に夕飯を済ませる
眠っている間に身体をしっかり休めるには、睡眠3時間前までに夕飯を済ませるのが理想です。
食べ物の消化には2〜3時間を必要とします。就寝前ギリギリに食べてしまうと、就寝中に消化活動が行われ、身体の回復の妨げになってしまいます。
また、夜食はエネルギーが消費されにくいため、肥満につながりやすいともいわれています。できるだけ早めに夕飯を済ませられるよう、意識しましょう。
4-7.寝る前にスマホを見ない
寝る前にスマホのブルーライトを浴びると、寝つきが悪くなってしまいます。
ブルーライトの波長は、太陽の光である紫外線の波長とよく似ているため、寝る前にブルーライトを浴びると体内時計が乱れて寝つけなくなってしまう可能性があるのです。
寝る1時間前からスマホを見ないようにすれば、ブルーライトの影響はそれほど受けずに済むといわれていますので、意識してみてください。
4-8.カフェインやアルコールの量を調整する
カフェインやアルコールには覚醒作用や利尿作用があるため、就寝前に摂取することで夜中にトイレに起きてしまうなど、睡眠の妨げになり兼ねません。
それぞれの効果には個人差や量も関係しています。一般的に、カフェインの効果は4時間前後持続するとされています。ひとつの目安として考えてみてください。
4-9.快適な寝具を使う
自分の身体や季節に合った寝具を使うことも、十分な睡眠時間を確保し、睡眠の質を高めるのに有効です。
掛け布団や敷きパッドは、季節に合った保温性のものや、寝汗をかいても不快にならないような吸放湿性の高いものを選びましょう。また、敷布団やマットレスは、身体が痛くならない硬さのものがおすすめです。枕は、敷き布団と首の隙間を埋められる高さのものがよいでしょう。
5.睡眠の質を高めるRecovery Sleepのアイテム
充実した睡眠をとるためには、快適な寝具を使うことが大切です。
Recovery Sleepには、睡眠の充実をサポートするアイテムがたくさんあります。以下のリンクから、どんな商品があるのかチェックしてみてください。
なかでも、快眠アイテムとして手軽に使用できるのが「敷きパッド」と「アイマスク」です。以下で、それぞれについて詳しくご紹介します。
5-1.Recovery Sleep敷きパッド
温熱効果により、健やかな毎日をサポートする敷きパッドです。
中綿に練り込まれた鉱石が身体の熱を吸収し、赤外線として輻射することで温熱効果を発揮します。忙しくて身体のケアに時間をかけられないという方にもぴったりです。
さらに、中綿は吸放湿性にも優れており、寝汗による蒸れや冷えを防いでくれます。朝まで快適にぐっすり眠りたい方にもおすすめの敷きパッドです。
以下のリンクから詳細をチェックしてみてください。
5-2.Recovery Sleepアイマスク
高い遮光性により、スムーズな寝つきをサポートするアイマスクです。
私たちの身体では、眠りにつくときに「メラトニン」という入眠を促すホルモンが分泌されます。メラトニンは光によって分泌が抑制されてしまうため、スムーズに眠りにつくためには、目に入る光をシャットアウトすることが大切です。
Recovery Sleepアイマスクは、長さ調節できるストラップで、目元にフィットさせられます。目に入る光をしっかりとシャットアウトし、スムーズな寝つきを叶えてくれるでしょう。寝つきの悪さにお悩みの方は、以下のリンクから詳細をチェックしてみてください。
まとめ
今回は、睡眠とダイエットとの関係について解説しました。ダイエットの基本は、食事制限と運動、そして、上質な睡眠です。せっかく頑張っていても睡眠が不足してしまうと、成果を感じにくくなる可能性が高まります。
繰り返しになりますが、ダイエットのカギは睡眠です。本記事でご紹介している「ダイエットに効果的な睡眠のとり方」を参考にしながら、ぜひ、現在の睡眠を見直してみてください。