【監修】睡眠不足で太る!?その理由や睡眠不足の判断・改善法を解説

日中のパフォーマンス低下や免疫力低下など、睡眠不足が私たちの生活や健康にさまざまな悪影響をおよぼすことは広く知られています。

しかし「睡眠不足で太る」ということについては、あまり知られていません。

実は睡眠不足になると食欲増進ホルモンの分泌量が増えたり、日中の活動量が減ったりして、肥満を引き起こすことがあるのです。

この記事では、睡眠不足と肥満の関係について解説します。また、睡眠不足の判断方法や改善方法についてもお伝えします。

1.睡眠不足になると太る!?

睡眠不足になると太る可能性があります。

2005年にコロンビア大学が成人男女800人を対象に、BMIと睡眠時間の関係について調査を行いました。その結果によると、睡眠時間が7〜9時間の人と比べて、5時間の人の肥満率は50%高く、4時間以下の人では73%も高かったそうです。

このように、睡眠不足が太る原因となり得ることは、科学的データから明らかになっています。では、なぜ睡眠不足になると太る可能性があるのでしょうか?その理由を見ていきましょう。

1-1.食欲増進ホルモンが増える

睡眠不足により太る原因として、食欲増進ホルモンの分泌量増加があげられます。

私たちの食欲は、主に2つのホルモンにより制御されています。1つは体内のエネルギーが不足した際に食欲を増進させる「グレリン」、もう1つはエネルギー代謝を促し食欲を抑える「レプチン」です。

2004年にスタンフォード大学が行った調査において、睡眠を8時間とった人と比べて、5時間しかとっていない人のグレリンの量は約15%多く、レプチンの量は約15%少ないという結果が得られました。睡眠不足の人はそうでない人と比べ、食欲増進ホルモンの分泌量が増え、逆に抑制ホルモンの分泌量が減ることがわかったのです。

実は、この結果はとても理にかなったものになります。睡眠時間が不足する、すなわち短くなることにより、私たちの活動時間は長くなると考えられます。活動時間が長くなったぶん、食事により補うべきエネルギー量も増えるため、体ではグレリンの分泌量を増やして食欲を増進させていると考えられるのです。

ここで問題になるのが「日中にしっかりと活動できているか?」ということになります。グレリンにより食欲が増しても、そのぶん活動してエネルギー消費できていれば太ることはないはずです。しかし、実際には睡眠不足の影響でしっかりと活動できず、食事量だけが増えて太ってしまう人も少なくありません。どういうことなのか次の章で詳しく見ていきましょう。

1-2.日中の活動量が減る

「睡眠不足で日中に眠気を我慢できず、昼寝をしてしまった」という経験がある方は多いのではないでしょうか。また、中には「睡眠不足で体がだるい感じがして、ルーティンにしている運動をサボってしまった」という方もいらっしゃるかもしれません。

このように、睡眠不足は日中の活動量を低下させる原因となります。上述した通り、睡眠不足になると、私たちの体では食欲増進ホルモンの分泌量が増えます。つまり「食欲が増してたくさん食べてしまうけれど、食べた分を消費するだけの活動ができない」という状態になって、太ってしまうわけです。

また、日中に昼寝をしてしまったり、運動ができなくなることにより、ますます夜に眠りにくくなる可能性もあります。このような状態が続くと太るリスクも高まるため、早急に対策を講じて睡眠不足を改善すべきでしょう。

1-3.基礎代謝量が減る

心拍・呼吸・体温維持などにより消費されるカロリーのことを「基礎代謝」といいます。基礎代謝量が落ちると私たちの体はたちまち太りやすくなってしまいます。基礎代謝量は1日の総消費カロリーの7割を占めるからです。

基礎代謝量を左右する要因としては、年齢や性別、体格などがあげられますが「睡眠の質」もその1つです。睡眠中には「成長ホルモン」という細胞の新陳代謝を促すホルモンが分泌されます。睡眠不足により成長ホルモンの分泌量が減ると、細胞の新陳代謝による基礎代謝量も減ってしまうため、太りやすくなってしまうのです。

成長ホルモンは入眠後3時間に最も多く分泌されるといわれています。そのため、基礎代謝を高めて太りにくくするためには、入眠後3時間連続して眠り続ける「質の高い睡眠」が大切になるのです。

2.睡眠不足の判断方法

睡眠不足になると太る可能性がありますが、そもそも自分が睡眠不足の状態にあるのかどうかは、どのように判断すれば良いのでしょうか?

睡眠不足の判断方法について見ていきましょう。

2-1.布団に入って5分以内に寝てしまう

布団に入ってから5分以内に寝てしまう場合は、睡眠不足により疲れがたまっているのかもしれません。

私たちの体は「自律神経」という神経系により、呼吸や心拍、消化などの働きが調節されています。自律神経には活動中に優位になる「交感神経」と、寝ている間に優位になる「副交感神経」とがあり、交感神経優位から副交感神経優位に切り替わるのには最低5分程度の時間がかかるといわれます。

そのため、布団に入ってから5分以内に寝てしまう場合は、慢性的な睡眠不足により交感神経優位の状態を保てないほど疲れきって、気絶に近い状態で寝落ちしていると考えられるのです。

2-2.いびきをよくかく

いびきをよくかく場合も、慢性的な睡眠不足により疲れがたまっている可能性があります。

疲れているときの体では、筋肉がいつもよりも弛緩して気道が狭くなります。呼吸の際にこの狭くなった気道の粘膜が震えていびきとして現れるのです。

また、疲労時には、疲れを回復するためにより多くの酸素を取り込もうとして、鼻だけでなく口でも呼吸をするようになります。すると、口蓋垂(こうがいすい)、すなわち「のどちんこ」とその周辺部分の粘膜が空気により振動して、いびきが出るのです。

2-3.起きてから4時間後に眠気がある

朝起きてから4時間後に眠気があることは、睡眠不足を判断する基準の1つとされています。

本来、起きてから4時間後は脳波が最も活発になる時間帯であり、眠気を感じることはないはずです。この時間帯に眠気があるということは、睡眠時間が不足している、あるいは睡眠の質が低下している状態だと考えられます。

2-4.休日に平日より2時間以上長く寝てしまう

休日に平日より2時間以上長く寝てしまう、いわゆる「寝だめ」をしてしまう人は、慢性的な睡眠不足の状態であるといわれます。

寝だめには疲労回復効果がありますが、睡眠不足が多く蓄積されてから疲労を回復するには、かなりの時間眠ることが必要です。実際に、厚生労働省健康局の「健康づくりのための睡眠指針 2014」にも、睡眠不足が続くと疲労回復は難しくなるため、毎日必要な睡眠時間を確保すべきという内容が記載されています。

また、寝だめには体内時計のリズムが乱れて平日眠れなくなるといったリスクもあります。睡眠不足は休日の寝だめではなく、毎日の睡眠で解消すべきでしょう。

3.睡眠不足を改善して太るのを防ぐ方法

「睡眠不足の判断方法」で紹介した内容に当てはまるものがある場合、睡眠不足が原因で太ってしまっているのかもしれません。

このまま放置しておくと、ますます太ってしまうだけでなく、生活習慣病やうつ病などの深刻な病気を引き起こす可能性もあります。適切な方法で日々の睡眠不足を改善していくことが必要です。

睡眠不足を改善する具体的な方法について、引き続き見ていきましょう。

3-1.朝日を浴びる

朝日を浴びて体内時計をリセットすることは、睡眠不足を改善する代表的な方法としてあげられます。

人間の体には、夜になると眠りに導いてくれる体内時計が備わっていますが、この体内時計の周期は約24.2時間と、地球の自転周期の24時間より少し長くなっています。そのため、毎日リセットする必要があり、そのリセットに必要となるのが朝日なのです。

体内時計は朝日を浴びてリセットされてから、15〜16時間後に眠気を生じるようになっています。自分が眠りにつきたいと思う時間から逆算して、朝日を浴びるようにしてみましょう。

3-2.夕食を就寝3時間前までにとる

夕食を就寝の3時間前までにとることも、睡眠不足を改善するのに効果的です。

就寝の直前に食事をとると、食べたものを消化しようと胃腸が活発に動くため、なかなか寝付けなかったり、眠りが浅くなったりしてしまいます。

食べたものが消化されるまでには2〜3時間必要です。睡眠に影響をおよぼすことのないよう、就寝の3時間前までに食事は済ませておきましょう。

3-3.カフェイン・アルコール・ニコチンを就寝前にとらない

カフェイン・アルコール・タバコに含まれるニコチンには覚醒作用があるため、就寝前にとると睡眠不足の原因となってしまいます。

摂取しても問題ない時間は、カフェインの場合は就寝の4時間前まで、アルコールは3〜4時間前まで、ニコチンは1〜2時間前までです。この時間より前であれば、寝るときには血中濃度が半減するかゼロに近くなっているため、ほとんど影響がないと考えられます。時間を守って楽しみましょう。

3-4.睡眠環境を整える

寝室の照明や温湿度、寝具の寝心地は、睡眠の質に大きな影響をおよぼします。

まず、寝室についてですが、照明はできるだけ暗くすることが大切です。私たちの体では、眠りにつくときに「メラトニン」という入眠を促すホルモンが分泌されます。メラトニンは光により分泌が抑制されてしまうため、スムーズに眠りにつくためには寝室を暗くしておくことが大切なのです。

また、室温は冬場なら16℃~19℃、夏場なら26℃~28℃に、湿度は40〜60%程度になるように調節することも大切です。この温湿度のとき、人は快適に眠れるといわれています。

寝具については、自分の体にあったものを使うことが大切になります。敷布団やマットレスは体が痛くならない硬さのものを、枕は敷布団と首の間を埋められる高さのものを選びましょう。掛け布団については、季節にあった保温性のものや、寝汗をかいても気にならない吸放湿性の高いものがおすすめです。

上記の点に着目して睡眠環境を整え、質の高い睡眠を叶えましょう。

4.睡眠不足の改善に役立つRecoverySleepのアイテム

睡眠不足の改善には、快適に眠れる寝具を使うことも大切です。

Recovery Sleepには、質の高い睡眠をサポートするアイテムがいろいろあります。以下のリンクから、ぜひチェックしてみてください。

Recovery Sleep商品ページ

引き続き、Recovery Sleepのアイテムの中から「敷きパッド」と「枕+枕カバーセット」について紹介させていただきます。どちらも、睡眠不足の改善や睡眠不足による肥満の予防に役立てていただけますので、ご覧ください。

4-1.Recovery Sleep敷きパッド

自然の鉱石を練り込んだ特殊素材「Recovery Sleep」を中綿に使用した敷きパッドです。Recovery Sleepが体の熱を赤外線として輻射するため、温熱効果による疲労改善が期待できます。

また、Recovery Sleepは吸放湿性にも優れており、汗による不快感で眠りが妨げられる心配もありません。

「朝までぐっすり眠りたい」「寝起きからスッキリ元気に過ごしたい」という方は、ぜひ商品ページをチェックしてみてください。

Recovery Sleep敷きパッドの商品ページ

4-2.Recovery Sleep枕カバー+本体セット

高さを調節できる枕と、特殊素材「Recovery Sleep」により温熱効果を得られる枕カバーのセットです。

枕は7つの部屋に分かれており、それぞれの部屋の中材を細かく調節することで、自分好みの高さにできます。首や肩に負担をかけずに安眠していただけるでしょう。

枕カバーには鉱石を練り込んだ特殊素材「Recovery Sleep」を使用しており、体の熱を赤外線として輻射します。温熱効果により、寝ている間に効率良く疲労改善が可能です。

「体にあう枕がなかなか見つからない」「寝ている間に手軽に疲労改善したい」という方に、特におすすめの商品となっています。

Recovery Sleep枕の商品ページ

まとめ

睡眠不足は、食欲に関係するホルモンの分泌量や日中の活動量などに影響をおよぼし、太る原因となります。

「なぜか食欲が抑えられない」「日中眠くてダイエットのための運動ができない」
そんな場合は、睡眠不足が影響しているかもしれません。

この記事の内容を参考に、まずは自分が睡眠不足の状態にあるのかを考えてみてください。いびきをよくかく、布団に入って5分以内に寝てしまうなど、睡眠不足の兆候がある場合は、生活習慣や睡眠環境を見直して睡眠時間の確保や睡眠の質改善に取り組んでいきましょう。

この記事の監修者

休養 × 疲労回復の専門家
睡眠改善協議会 睡眠改善インストラクター
日本リカバリー研究所 所長

福田 英宏 (フクダ ヒデヒロ)

早稲田大学大学院スポーツ科学研究科(修士)卒業後、㈱Recovery Adviserを立ち上げ「休養」「疲労回復」の専門家として多くのアスリートやスポーツチーム、競技団体の競技力向上をめざした休養サポートを行う。
早稲田大学大学院スポーツ科学研究科(修士)卒業後、㈱Recovery Adviserを立ち上げ「休養」「疲労回復」の専門家として多くのアスリートやスポーツチーム、競技団体の競技力向上をめざした休養サポートを行う。

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