【監修】話題のスリープテックを解説!なぜ重要?どんなものがある?
日中のパフォーマンスや健康の維持・向上に「睡眠」が重要であることは、多くの方の知るところでしょう。しかしその一方で「思うように眠れない」「そもそも自分の睡眠状態がよく分からない」と睡眠に不満を抱いている方も少なくないはずです。
十分な睡眠をとるためには、自分の睡眠状況を把握し、必要に応じて適切な改善策を講じることが大切です。「スリープテック」はそれをかなえることができるサービス・製品として、いま世界中で注目を集めています。
この記事では、話題のスリープテックについて、重要視される理由やサービス例をご紹介します。
目次
1.スリープテックとは
スリープテックは「Sleep(睡眠)」と「Technology(技術)」からなる造語です。ITやAI技術を活用して睡眠を分析することや、睡眠改善を図る製品・サービスを提供することを指します。
近年、人々の睡眠に対する関心が高まってきており、さまざまな企業からスリープテック製品・サービスが提供されています。例えば皆さんが使用しているスマートウォッチの中には、脈拍や呼吸などのデータから睡眠時間を計測できるものもあるでしょう。これはIT技術を活用して睡眠を分析し、睡眠改善につなげるスリープテックの代表的な事例として挙げられます。
この他にもアプリやロボット、寝具など、スリープテックによる製品は私たちの身の回りに少しずつ増えてきています。今後もこの流れは加速していくと予想されるため、スリープテックについて理解することは、睡眠の質を高めて生産性や心身の健康を維持・向上するために重要なことと言えるのです。
2.睡眠が重要視される理由
スリープテックが注目を集める背景には、人々の睡眠に対する関心の高まりがあります。では、なぜこれほどまでに人々は、睡眠を重要視するようになったのでしょうか。
2-1.生産性や健康の維持・向上のため
生産性や健康を維持・向上させるために、十分な睡眠をとることは重要です。
睡眠不足で、日中のパフォーマンスが下がってしまった経験を持つ方は多いでしょう。実際、2023年に行われた花王株式会社による「睡眠に関する意識調査」では、20代350人のうち70%もの人が「自分のパフォーマンスは睡眠にかかっている」と回答しました。
また2016年に、アメリカのシンクタンクであるランド研究所から発表された調査結果により、睡眠不足による日本の経済損失が年間1,380億ドル、当時のレートで約15兆円にも上ることが明らかになりました。
このように私たちの実体験からも、専門家による調査結果からも、睡眠不足になると日中のパフォーマンスが下がって生産性や経済活動に悪影響を及ぼすことが分かっています。
さらに睡眠不足は仕事のパフォーマンスだけでなく、心身の健康にも大きな影響を及ぼすと言われています。生活習慣病はその代表的なものです。厚生労働省の情報提供サイトにも、睡眠の質が低下すると生活習慣病のリスクが高まるという内容が記載されています。
社会全体を豊かにし、私たち一人一人が健康的に過ごすために、睡眠は重要視されているというわけです。
2-2.日本人の睡眠時間は短いため
生産性や健康の維持・向上のためには、十分な睡眠をとることが大切です。しかしその一方で、日本人の中には睡眠について悩みを抱えている人が少なくないという事実もあります。
2023年に厚生労働省が日本人1,518人を対象として、睡眠時間のとれている度合いを調べたところ「夜間、睡眠途中に目が覚めて困った」と回答した人が45.7%、「日中、眠気を感じた」と回答した人が36.6%と、睡眠の質に悩んでいる人が少なくないことが分かったのです。
また日本人の睡眠時間は、世界各国と比較して短めであることも分かっています。2021年のOECD(経済協力開発機構)による調査では、日本人の平均睡眠時間は加盟国の中で最も短いという結果が得られました。
このように日本人の睡眠時間や睡眠の質は、十分なものとは言い難い状況です。こうした現状を打開するため、睡眠を改善することの重要性についてしきりに叫ばれるようになったと考えられます。
3.日本におけるスリープテックの普及率
睡眠を重要視する日本ですが、スリープテックの普及率はまだまだ低いのが現状です。株式会社ブレインスリープとNTT東日本が1万人を対象に調査したところ、睡眠の質を高めるためにアプリを利用している人は5.6%、ガジェットを利用している人は4.3%に留まるという結果が得られました。
しかしその一方で、同調査では「今後アプリやガジェットを取り入れてみたい」と回答した人も15.4%見られ、スリープテックに対して興味がある人も少なからずいることが分かりました。
この記事をご覧の皆さんの中にも「スリープテックに興味はあるけれど、よく分からないため使用には至っていない」という方がいらっしゃるはずです。次の章ではサービス例を紹介しますので、スリープテックについて理解を深めるための参考にしてください。
4.スリープテックの例
代表的なスリープテックのサービス例として「ウェアラブルデバイス」「アプリ」「寝具」が挙げられます。また変わり種としては「ロボット」もあります。
4-1.ウェラブルデバイス
ウェアラブルデバイスとは、身につけたまま使用できるコンピューターデバイスのことです。例としては腕時計型のスマートウォッチやスマートバンド、メガネ型のスマートグラスなどが挙げられます。
ウェアラブルデバイスはスリープテックとの相性が良く、特に寝ている間も腕に巻いて使用できるスマートウォッチやスマートバンドは、スリープテックを代表する製品と言えます。脈拍や呼吸などのデータから睡眠時間を計測できるのはもちろん、製品によってはユーザーの睡眠データを睡眠の専門家や医師などが分析し、睡眠改善アドバイスをしてくれるものもあります。
スマートウォッチやスマートバンドによるスリープテックは、スリープテックの筆頭製品として今後ますます広がりを見せていきそうです。
4-2.スマホアプリ
スマートフォンのアプリにも、スリープテックによるものが数多くあります。アプリを開いた状態でスマホを枕元に置いておくと、マイクや加速度センサーがいびきの音や体の動きを記録し、グラフなどの分かりやすい形で表示してくれるというものです。
新たな端末を買わなくても手持ちのスマホで完結するため、スマホアプリは、手軽にスリープテックを試したい方におすすめのタイプです。
4-3.ロボット
変わり種スリープテック製品として、ロボットが挙げられます。抱き枕のように抱いて使用するもので、リズミカルに動いて呼吸をガイドしたり、セラピーサウンドを流してリラックスさせたりしてくれます。
まだまだ珍しいタイプですが、スリープテック市場の広がりを感じさせる注目製品です。
4-4.寝具
元々スリープテック市場は、医療機器メーカーを中心として商品開発が行われてきましたが、近年では寝具メーカーの参入も目立っています。
例えばタブレット端末でユーザーの体型を測定し、体型に合う枕やマットレスをオーダーできるといったものは、寝具メーカーのノウハウがあるからこそ可能なスリープテックとして注目を集めています。
当然ですが寝具は寝るときに使用するものなので、睡眠を分析して睡眠改善を図るスリープテックとの相性は抜群です。今後も寝具メーカーによるスリープテック製品・サービスは増えていくでしょう。
5.Recovery Sleepのスリープテック商品
近年、スリープテック市場に参入する寝具メーカーが増えてきていますが、RecoverySleepもその一つです。RecoverySleepには睡眠を快適なものに導くさまざまなアイテムがあり、中でも一押しのスリープテック製品としては「睡眠計測ナイトウェアeSleepy」というものが挙げられます。
縫付型温度センサー「eSleepy」と着脱式センサーハブを搭載したナイトウェアで、ナイトウェア上の温度、呼吸、心拍、体動などを計測。計測データを専用のスマホアプリで可視化し、睡眠環境向上のためのコーチングもしてくれます。
また数々の寝具を開発してきた繊維の専門集団であるRecoverySleepの商品だけあって、着心地の良さも一押しポイントです。スリープテックと、着心地の良さの両面から、皆さんの睡眠をサポートします。
睡眠計測ナイトウェアeSleepyの詳細は以下のページからご覧いただけます。ぜひチェックしてみてください。
まとめ
近年、日本でも睡眠の重要性について叫ばれるようになりましたが、スリープテックの普及率はまだまだ低いのが現状です。この記事を参考に、スリープテックの概要や重要性、サービス例について理解を深め、スリープテックを積極的に使用することで睡眠改善につなげてみてください。
スリープテックのサービス・製品には、手持ちのスマホにインストールするだけのアプリタイプや、枕やパジャマなど寝る時に必ず使う寝具タイプなどもあります。まずは自分の使いやすいタイプで、スリープテックを試してみてはいかがでしょうか。