【監修】梅雨のジメジメで眠れない?湿気と睡眠の関係と快眠のための工夫とは
「エアコンをつけているのに、なんだか寝苦しい」
「枕やシーツがベタついて、どうにも気持ちが悪い」
梅雨に入ると、そんなふうに感じる夜が増えてきます。 寝苦しさの原因は、暑さだけではありません。湿度の高さ、気圧の変化、日照時間の短さ等、様々な条件が重なって、体にじわじわと負担をかけているのです。しかし、少しの工夫で梅雨の夜でもぐっすり眠れるようになります。この記事では、梅雨のジメジメした夜を快適に過ごすためのヒントを、ご紹介します。
目次
1.なぜ梅雨になると眠りにくくなるのか?
1-1.湿度と睡眠の深い関係
人間の体は、深部体温がゆるやかに下がることで、自然と眠りへと導かれるようにできています。日が落ち、夜が深まるにつれて体温が少しずつ下がり、その変化を脳が「眠りのサイン」として受け取る仕組みです。
しかし、梅雨の季節になるとこの自然なリズムが乱れやすくなります。
空気に含まれる水分量が増え湿度が高くなると汗をかいても蒸発しにくくなり、体にこもった熱を逃がすのが困難になります。これにより体温を下げるはずのメカニズムがうまく働かなくなり、眠りに入るまでに時間がかかり寝つきが悪くなってしまうのです。
ここからは、梅雨特有の環境が私たちの睡眠にどのような影響を及ぼしているのか、その具体的な側面について、さらに掘り下げていきます。
【湿気が睡眠に与える具体的な影響】
- 深部体温が下がらず、入眠に時間がかかる
梅雨の時期は、汗をかいてもなかなか蒸発せず、肌の上にじっとりと残りがちです。
本来、汗が蒸発するときに生まれる「気化熱」で体温が下がり眠りに入りやすくなるのですが、湿気の多い空気の中ではそれがうまくいきません。
熱が体の内側にこもったままになり、結果として寝つきが悪くなってしまうのです。
就寝時に暑さで寝苦しいと感じることはありませんか。 それは、深部体温がうまく下がりきっていないサインかもしれません。
- 寝具やパジャマの湿気によるストレス
梅雨の時期は、空気だけでなく寝具やパジャマにも湿気がたまりやすくなります。
普段、何気なく触れている布地もこの季節になると湿気を含み、肌にまとわりつくような感触に変わってしまうことがあります。
湿った布が肌に触れるたび、わずかな違和感が積み重なりストレスを感じ、眠りを妨げてしまうこともあります。
とくに肌が敏感な人は、このような微細な刺激にも反応しやすく、眠りが浅くなったり、夜中に目が覚めてしまうこともあるかもしれません。
梅雨の夜を少しでも心地よく過ごすために、肌に触れる素材選びにも気を配ることをおすすめします。
- 気圧変化による自律神経の乱れ
梅雨に入ると雨の日が続くうえ、気圧も不安定になります。気圧が下がると、体は無意識のうちに交感神経が優位になり、緊張しやすい状態に傾くといわれています。本来なら夜になると副交感神経が働き、自然とリラックスした状態へ切り替わるはずですが、気圧の影響でその切り替えがうまくいかず、眠りが浅くなったり、寝ても疲れが抜けにくい現象が起こります。そのため、気圧の変動が続くと、頭痛やだるさ等の不調が起こりやすくなり、眠りの質にも影響を及ぼします。ただでさえ崩れやすい梅雨時の睡眠のリズムが、いっそう乱れやすくなってしまいます。
- 日照不足による体内時計の乱れ
曇りや雨の日が続く梅雨の時期は、自然と太陽の光を浴びる時間が少なくなります。
朝の時間帯に太陽の光を浴びることは、私たちの体内時計を整えるうえで欠かせない役割を果たしています。光を浴びる機会が減ると、体内のリズムは少しずつズレはじめ、本来なら夜に分泌されるはずの「メラトニン(睡眠ホルモン)」の働きにも乱れが生じます。
その影響は少しずつ蓄積され、夜になっても眠気が訪れず、寝つきにくい夜を迎えることになってしまうのです。
これらの影響を受け、結果的に「なんとなく寝苦しい夜」が続いてしまうのです。
1-2.梅雨時の睡眠不調を放置するとどうなる?
睡眠は、ただ体を休めるだけのものではなく、一日の疲れを癒やし、心と体を整え、また次の日へと向かうための大切な時間です。この時間がきちんと確保されないと心と体に影響が出始めてしまいます。梅雨の時期に悩まされる睡眠トラブルは、「そのうち慣れるだろう」と見過ごしていると、思わぬところで大きな不調を招くことになりかねません。
ここでは、睡眠不調から起こりやすいリスクについて、3つの視点から考えていきます。
【放置すると起こる3つのリスク】
- 集中力や免疫力の低下
睡眠中に脳は、その日に得た様々な情報を整理し、必要な記憶を定着させています。体も同様に、免疫機能を整えながら次の日に向けて少しずつ体力を回復させていきます。しかし、眠りの質が乱れる日が続くと、こうした働きが少しずつ鈍くなってしまい、集中力や判断力が落ち、普段なら迷わずこなせる作業で手間取ったり、仕事や勉強でも思わぬミスが目立つようになる恐れがあります。
体調面では、風邪をひきやすくなったり、一度崩した体調がなかなか戻らなかったりと、調子を整えるのが難しくなっていきます。
- 慢性的な倦怠感・抑うつ傾向
眠れない夜が続くと、体だけでなく心にも負担がかかってしまいます。
十分に眠れない日が続くうちに、脳の働きがうまく回らなくなり、気分が沈みがちになったり、物事に対する意欲の低下が増えていきます。
最初は、「なんとなくだるい」「なんだかやる気が出ない」というような小さな違和感にすぎないかもしれませんが、それが積み重なると次第に慢性的な倦怠感や、心の張りを失ってしまうような状態に近づいてしまいます。好きだったことに心が動かなくなったり、人と会うことすら億劫に感じられるようになったら、睡眠の質の低下を疑い、睡眠習慣を見直してみる必要があるかもしれません。
- 生活リズムの乱れとパフォーマンス低下
夜になってもなかなか寝付けず、朝はスッキリ起きられない。そんな日が続くと、少しずつ生活全体のリズムが崩れていきます。寝坊や遅刻が増えたり、集中力が続かず、仕事や家事に思ったように手が回らなかったり、様々な場面で支障が出はじめるかもしれません。
生活リズムが乱れると、夜型のペースに拍車がかかり、眠れない→朝遅く起きる→また眠れない……という悪循環に陥りやすくなります。一度この流れにはまってしまうと、元に戻すまでに、想像以上の時間とエネルギーがかかることも少なくありません。
2.梅雨でもぐっすり眠るための5つの快眠対策
2-1.除湿と空気循環で「湿気をコントロール」
梅雨の時期、湿気がたまると寝苦しさやだるさにつながるので、早めに対策しておきたいところです。
まず試したいのが、エアコンの除湿モード(ドライ)です。部屋の温度を下げすぎず、湿度だけが下がるので、快適さを保つことができます。
除湿機とサーキュレーターを一緒に使う事もおすすめします。湿った空気を取り除きながら、部屋中に風を巡らせることで、室内全体に均等に風が巡り、過ごしやすい環境になります。
天気がいい日には、窓を少し開けて換気するのもひとつの手です。こもった空気が入れ替わるだけで、心地良い眠りにつけるような環境を整えることができます。
湿度は40〜60%くらいが理想といわれており、それ以上になるとカビやダニが繁殖しやすくなり、睡眠にも影響を及ぼしてしまいます。可能であれば湿度計を置いて湿度管理をしてみましょう。
2-2.寝具を見直して“ムレ知らず”の環境に
寝具は、眠りの質を大きく左右する大切なアイテムです。
特に梅雨どきは、いつも以上に「通気性」と「吸湿性」にこだわりたいところです。
シーツや敷きパッドは、麻やガーゼなど、風通しのいい素材を選ぶ事をおすすめします。
肌に触れたときのべたつきを防ぎ、汗をかいてもサラッとした感触を保つことができます。
枕カバーは、速乾性があって、抗菌・防臭加工が施されているタイプを選ぶと、蒸れにくく清潔感が保てます。マットレスは、内部に熱がこもりにくい構造かどうかをチェックしてください。
通気性に配慮されたものなら、夜中に蒸し暑さで目が覚めるようなことも減らせるかもしれません。
そんな中でも、特におすすめしたいのが「RecoverySleep」の寝具です。
Recovery Sleep敷きパッド
「RecoverySleep敷きパッド」は、湿気が気になる季節でも、ムレを感じにくく、さらっと心地よく使えるのが特徴です。吸湿性と放湿性にすぐれた素材が使われているので、寝苦しい夜も、優しい肌ざわりを感じることができます。マットレスの上にさっと敷くだけで使えて、洗濯機で気軽に洗えるのも、うれしいポイントです。
RecoverySleep 洗える除湿シート
「RecoverySleep 洗える除湿シート」は、寝具の湿気対策に特化したアイテムです。吸湿・放湿性に優れたB型シリカゲルを使用しており、ジメジメしがちな梅雨の季節でも、寝具を快適に保ってくれます。付属の吸湿センサーで干し時がひと目でわかり、陰干しすれば吸湿力も回復。繰り返し使えて経済的です。洗濯機で丸洗いできるので、お手入れも簡単。梅雨や湿気の多い時期のカビ・ダニ対策としても、心強い一枚として活躍してくれます。
3.入浴とストレッチで自律神経を整える
寝苦しい夜が続くときは、入浴の時間にも目を向けてみましょう。湯船に浸かる事で日中に働いていた交感神経が静まり、代わって副交感神経が優位になります。入浴後、自然に体温が下がっていくことで、眠りへの流れがスムーズになります。入浴は、できれば就寝の1〜2時間前までに済ませておくのが理想です。湯上がりの体温が徐々に冷めていくリズムに合わせて布団に入ると、無理なく自然に眠りへと導かれていきます。また、睡眠前は軽く体を伸ばすストレッチを取り入れてみるのもいいでしょう。呼吸に合わせてゆったり体を動かすことで、副交感神経がさらに整い、心拍や呼吸も穏やかになっていきます。
注意したいのは、眠る直前に激しい運動をすることです。筋肉を大きく動かすような運動は交感神経を刺激し、体を目覚めさせてしまいます。ストレッチは、無理をせず、心地よさを感じる範囲でゆっくりと行うことを心がけましょう。
4.照明・音・香りで“リラックス空間”を演出
4-1.照明
夜遅くまで明るい部屋で過ごしていると、脳は昼間と同じように働き続けてしまいます。強い光を浴びると、眠気を誘うホルモン「メラトニン」の分泌が抑えられ、体内時計のズレが生じやすくなります。できれば、眠る1時間ほど前から、部屋の明かりを落としましょう。スタンドライトや間接照明を使い、まぶしさを避けるだけでも、体は自然と休息へ向かう準備を始めてくれます。真っ暗にする必要はないので、できる範囲で部屋の明かりを調整するようにしましょう。
4-2.音
理想的なのは、静かな環境で眠りに入る事です。とはいえ、無音が落ち着かないと感じる方も少なくありません。そんなときは、波の音や雨音、森の中を吹き抜ける風の音など、自然の響きを取り入れてみてはいかがでしょうか。これらの「ホワイトノイズ」と呼ばれる音は、脳を優しくなだめ、心を静める働きがあるといわれています。アプリや動画をうまく活用し、自身にとって心地よい音を探し、夜の時間を豊かに過ごしてみましょう。
4-3.香り
香りは、五感のなかでもとりわけ気分に寄り添いやすいものといわれています。ラベンダーやベルガモット、ゼラニウム等の香りには、神経の高ぶりをおさえ、自律神経のバランスを整える作用があると言われています。ディフューザーを使って部屋全体に香らせてもいいですし、ハンカチに一滴垂らして枕元に置くだけでも、香りは広がるのでおすすめです。
5.湿気に負けない体をつくる食事習慣
梅雨の湿った空気に包まれるころ、ふと体の重たさを感じる日が増えてきます。湿気が高くなると、体の中に余分な水分がたまりやすくなり、それが浮腫みやだるさとなって表に出てくることもあるようです。そんなときは、食べるものや飲むものを、少し意識して選んでみるのもひとつの手かもしれません。
例えばショウガは、体を内側からじんわりと温め、巡りを助けながら、溜まった水分を動かしてくれる頼もしい存在です。ミントも同様に、消化を助け身体の緊張感をふっと緩めてくれます。
スイカも忘れたくない食材のひとつです。みずみずしい果肉には、たっぷりの水分だけでなく、利尿を促すカリウムも豊富に含まれています。夏に自然と手が伸びるのも、そんな体へのやさしい働きかけを体が知っているからかもしれません。
飲みものを選ぶなら、カフェインを控えた緑茶がおすすめです。緑茶に含まれるカテキンは抗酸化作用があり、湿気で乱れがちな体調を静かに支えてくれます。
一方で、少し気をつけたいのが、カフェインやアルコール、そして甘い飲みものです。確かに一時的には利尿を促しますが、摂りすぎれば必要な水分まで失われ、かえって体を乾かしてしまいます。糖分の多い飲みものも、血糖値を大きく揺らしながら、体に無理を強いることになりかねません。
湿った空気に包まれるこの季節、食べものや飲みものの力を借りながら、体調を整えていきましょう。
まとめ
梅雨の時期は、湿度や気圧、日照不足が重なって、眠りにくさや体調の乱れを感じることが増えてきます。しかし、湿度をコントロールしたり、寝具や食事を見直したりと、ちょっとした工夫を重ねていくことで、快適な睡眠は十分に取り戻せます。
体や心が疲れをため込みやすい季節だからこそ、眠る環境を整え、毎日のリズムをやさしく支えていきたいものです。小さな工夫が、ジメジメとした夜を少しでも軽やかなものに変えてくれるはずです。